納蔵原古墳から車で約15分のところに、柳井茶臼山古墳はあります。
郷土館の高橋さんや、発掘調査員の荒蒔さんの勧めで、足を伸ばしてみることにしました。
国の史跡に指定されている前方後円墳で、4世紀末から5世紀初めに造られたと見られています。
発掘調査と復元整備がされ、古墳公園として整えられた茶臼山古墳は、
これまで田布施町で見てきた古墳とは雰囲気が異なります。
全長約90mの立派なモニュメントが見晴らしの良い丘にそびえ、
墳丘を覆う小石が、わた雲に同化するように無数に並んでいました。
この古墳では、全国の古墳から出土したものの中で最も大きい青銅鏡が見つかり、
東京国立博物館に現物が所蔵されています。
また死者の世界との結界を意味すると言われる埴輪が、145基も並べられていたということから、
ここに眠っていた首長がいかに権力を持っていたかが想像できます。
併設の資料館も、一見の価値があります。
古墳を仰ぐ、昼下がりの駐車場には休憩中のサラリーマンの姿があり、
神秘的というよりはどこか平和な雰囲気を感じました。